1. ホーム
  2. Mr.Rの3Rばんざい
  3. このトイレットペーパーは、○回目のリサイクル製品です。

平成23年

平成22年

平成21年

平成20年

平成19年

平成18年

平成17年

このトイレットペーパーは、○回目のリサイクル製品です。 (136号 2006年1月)

ミスターリサイクル
 出前講師で小学校に行った時のこと。「牛乳パック6枚でトイレットペーパー(65m巻)が1個できるんだよ」の私の言葉に、5年生の男の子が「牛乳パックはバージンパルプでできてるんだから、すぐにトイレットペーパーにしたらもったいないんじゃないですか?」と言った。この質問の意味、わかりますか?
 バージンパルプとは、紙の原材料となる木を細かく砕き、熱や薬品を使って植物の繊維を取り出したものだ。つまり、まだ一度もリサイクルされていないパルプのことである。古紙から製造した古紙パルプに比べ、水は約1.6倍、エネルギー消費量は2倍近く使用すると言われている。ちなみに古紙パルプは6~7回のリサイクルが可能とも言われている。
ただし次第に色が抜けにくくなり、数度リサイクルを繰り返すと真っ白とは言えないパルプになっていく。先の男の子には「いろんな紙に再生して、最後にトイレットペーパーにすればいいんじゃん!」という考えがあるものと推測できる。ごもっとも!!
 さて、最近、スーパーに行くと牛乳パックから作ったトイレットペーパーを見かけるようになった。しかし、その隣には山のように積まれた「お一人様1パック限り!バージンパルプ100%トイレットペーパー12ロール○○○円」のド派手な文字。確かにバージンパルプのモノは白くて柔らかい。けれども、一度しか使わずに水に流してしまうモノに、そこまでの品質が本当に必要なのだろうか。
 貴重な資源を使用して作ったバージンパルプを一度使ったきりで水に流してしまうのは、やはりもったいない。昔の話をすると最近の若い人に笑われるかもしれないが、私が幼少の頃のトイレットペーパーは、現在の様な巻き取り状にはなっておらず四角だった。しかも全然白くなかった、それでも充分に用は足りていた。
 買い物をする時に、ちょっとだけ考えて欲しいことがある。物を選ぶ時の基準に「地球に優しいかどうか」ということを加えてみてはいただけないだろうか。その基準はひとそれぞれ千差万別かもしれない、しかし地球に厳しい生活はそう長くは続けていられないのだから。あの男の子が大人になり、買い物をする頃には「このトイレットペーパーは、○回目のリサイクル製品です」なんて表示があったらと期待する年の初めである。本年もどうぞよろしくお願い致します。
ミスターリサイクル
※月刊リサイクルデザイン136号(2006年1月)に掲載