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黒船の大筒に比べれば、刀など縫い針じゃ! (186号 2010年3月)

ミスターリサイクル
今年に入ってからの楽しみは、なと言ってもNHKの大河ドラマ「龍馬伝」だ。中学生の頃初めて司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」を読んで「世の中の人は何とも言わば言え我が為す事は我のみぞ知る」という言葉に衝撃を受けて以来、某携帯電話会社のCM「男はみんな龍馬かぶれ」に大きくうなずいてしまうタイプの人間となった。

龍馬伝第5話「黒船と剣」の話。嘉永6年(1853年)6月、ペリー率いる4隻のアメリカ艦隊が浦賀に現れ、幕府は各藩に江戸湾の警備を命じた。龍馬はその黒船を間近で見てこんなセリフを言う。
「実は、黒船を見たがです。わしはもう混乱してしもうて。あんな化け物に刀は通用しません。もし、異国と戦になれば剣など役に立たんがじゃ」
当時の人が黒船を見てどれくらい驚いたのかは想像できないが、UFOみたいなものじゃないかなと思う。現代人はUFOらしきものがチラッと見えただけで、見たこともないのに「宇宙人は足が8本はえている夕コみたいな奴だ!」とか「もしも宇宙人に攻めてこられたら、人類が滅亡する!」とか大騒ぎしている。
(龍馬伝でも見たことのないペリー提督の似顔絵が大繁盛していたし)
チラッと見えただけで大騒動なのだから、実際に映画のインデペンデンス・デイみたいに、宇宙人が来襲したらトンでもないことになるだろう。

黒船襲来は、現代の温暖化問題に似ている気がする。現実に起きている事を正しく認識できた人々は、今の状態が永くは続いてはいかないと気づく。そして、何かを変えなければならない事には未来は無いと理解し行動を始める。しかし、変化を厭う人は事実を否定し、解釈を曲げてでも今を変えなくて済む理由を探しだす。
黒船との大きな違いは、黒船は目に見えるし「親書」というメッセージを幕府に突きつけていったが、温暖化問題は目に見えないし、人の言葉では迫って来ないので回答期限が無い。
「黒船の大筒に比べれば、刀など縫い針じや。異国と戦になれば、剣術など何の役にも立たん」と龍馬の言ったセリフの黒船を温暖化問題に置き換えたら、「刀」と「剣術」は何にあたるのだろうか?
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